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2021.08.16

”オトナの自由研究”へのお誘い

 残暑お見舞い申し上げます。

 熱戦が繰り広げられたオリンピック、そしてこの後に待つパラリンピック。テレビを通して競技に全身全霊で立ち向かう選手たちの姿を見て、胸が熱くなるシーンが何度もありました。興奮冷めやらず、酷暑も続く新潟ですが、みなさま夏バテにはなっていないでしょうか?

 昨年からのコロナ禍の状況、収束するどころかデルタ株により感染が急拡大し、今年もせっかくの夏休みをお家で過ごされる方が多いと思います。

 朝から寝転んでテレビを見て、お昼ご飯の後はウトウトとまどろみ、枝豆をつまみながらの晩酌、という夏休みの過ごし方、心身をしっかりと休めるのによいですが、最終日の夕方に感じる「何やってたんだろう・・・。オリパラ選手があんなに頑張ってたのに、自分は何やってたんだろう…」という罪悪感に似た思いを持つのもせつないものです。今回のコラムでは、気軽に読めて、それでいて夏休み明けのビジネスに生かせそうな「夏休みのお供」にお勧めの本をご紹介します。「よい休みだった」という充実感を得られる一助になれば幸いです。 

 

◎プロデュースの基本(集英社・木崎 賢治著)

 ほとんどの方は著者のお名前を見て、「どんな人?」と思われるのではないでしょうか?私も読み始めるまでは、お名前、ご職業を存じ上げませんでした・・・。木崎氏は沢田研二、槇原敬之、BUMP OF CHICKEN、福山雅治などの有名アーティストの裏方として長年にわたりプロデューサーとして関わられてきた方です。裏方としてのお仕事ですので我われのような一般人が知らなくても当たり前ですね。

 しかし、流行り廃りが激しい音楽業界で、50年近く活躍されてきた方だからこそ語れる「モノを作るのに必要な考え方・取り組み方・姿勢」は普遍的で含蓄に富んでいます。 

 ・「いいな」の段階ではまだ足りない。その先にある「自分もやってみたい」と思えるものを探す。

 ・「面白い」と思ったことを「面白かった」で終わらせない。「なぜ面白いと感じたか?」の理由を分析する。

 ・興味を持った事を深堀りすることから始める。深堀りを続けることで、周辺にも興味が広がり、より大きなものが見えてくる。

などなど、木崎氏ご自身が経験されてきた事象を引用しながら物事への向き合い方を説明したり、個性が強い(扱いが難しい)アーティストや作曲家と、どのようなコミュニケーションを取ることで、彼らが持つ良いものを最大限に引き出せるかなど、一般人のビジネスの場であっても、参考になる事例が記されています。

 今までのやり方に閉塞感を感じている、新しいきっかけづくりを探したいという方は、読まれてみてはいかがでしょうか。

 

◎コーヒーで読み解くSDGs(ポプラ社・川島良彰、池本幸生、山下加夏著)

 ここ数年、見聞きしない日はないと言ってもよいぐらいの「SDGs」。これまでも環境に配慮、経済合理性重視ではない取組みとしてLOHAS、スローライフ、サスティナブル、また、SDGsの前身であるMDGsと様々なキーワードが生み出されてきましたが、いつの間にか聞かなくなっています。SDGsはこれらとは異なり、本格的な取組みが各所で始まり、そしてそれらの取組みに持続性を感じさせられます。その理由としては、スウェーデン出身のグレタ・トゥーンベリさんに代表されるように、10代・20代の人たちが環境問題を自分たちの生活、将来に深く関係する「我がこと」として捉え、自らSDGsの取組みを実践しているからではないでしょうか。

 とはいえ、SDGsについての説明や書籍を読んでみても、対象範囲が広く、設定されているゴールが曖昧に感じてしまうなどの理由で「わかるようでわからない」という方が多いのではないでしょうか?私も正確に説明する自信ありません・・・。 

 「コーヒーで読み解くSDGs」は、コーヒーの生産、流通、販売を通して、具体的なSDGsの取組みを提案する、というこれまでなかった切り口でSDGsを説明してくれます。

 著者は、世界を飛び回ってコーヒーの生産、買い付けを行ってきた川島氏、開発途上国の経済を研究されている大学教授の池本氏、国際NGO職員として開発途上国の環境保全支援を行ってきた山下氏の3名です。

 SDGsで設定されている17の目標を、コーヒーを素材とし具体的な取組提案として整理することで、置かれた立場が異なる読み手それぞれが、「自分の身の回りで可能な取組」に置き換えて理解しやすい内容になっています。 

 「1.貧困をなくそう」では、価格だけを基準としてコーヒー豆を買うのではなく、どういった部分に目を向けて豆を選ぶと生産者に適正な利益を還元できるか。また、そのような消費者の行動が、現在の流通業者の利益を優先したコーヒー豆相場の乱高下を抑えることにつながり、結果的に消費者にもメリットが生まれる。 

 「13.気候変動に具体的な対策を」では、安い豆を大量に求める市場に生産農家が対応することで森林伐採が進み、気候変動の悪化につながること。そうならないために、世界中のコーヒー関係者が生産・流通面で協力し、特定の品種に偏った栽培を行わない、その土地の気候に合った品種を栽培する等に取組むことで、気候変動を抑止する動きにつながる。 

など、わかりやすい説明と提案がされています。コーヒー好きの方にはもちろん、これまでSDGsの説明が腹落ちしなかった方にお勧めです。 

 この本を知ったのは、明治大学がコーヒーを軸に大学が所在する神保町の街づくりとSDGsへの取組みを行っている、という新聞記事を偶然見かけたのがきっかけです。

 しかし、なぜこの記事が目に留まったのかと思い返すと、新潟国際情報大学のあるゼミでSDGsへの取組みを行っている事を知る機会があったこと、一人の学生さんから「SDGsって“我慢する”イメージを持つ人が多いですが、私は“かっこいい”と思っています」と、私が持っていたSDGsのイメージを覆す話をしてくれたことが鮮明に記憶として残っており、SDGsという単語への感度が上がっていたからだと思います。

 1冊目でご紹介した木崎氏の著書で紹介されている「1つのことに興味を持つと、周辺にも興味が広がる」を図らずも体験したことになります。 

 IPCでは、93日(金)から全7回で今年度の「未来想像部」の部活動をスタートします。第1回目のテーマは「大人の自由研究」。電通のクリエイター集団とともに、参加者それぞれの自由研究に取り組むカリキュラムです。夏休みに「やり残した感」がある方、オリパラ選手の頑張りを見て「自分も!」とウズウズされている方、ぜひ私たちと一緒に自由研究に取り組み、熱い時間を過ごしませんか? 

◇にいがた未来想像部

未来想像部×電通Bチーム 『想像から創造せよ』 Session.1 大人の自由研究

https://niigata-ipc.or.jp/seminar_event/15345/

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