統括プロジェクトマネージャー 百合岡 雅博
いつもお世話になっています。IPCビジネス支援センターの百合岡です。
今年の5月から元号が新たになる、文字どおり『時代の変わり目』が近づいてきました。昭和では「十年ひと昔」と言われていましたが、平成では犬の一生は人間の約1/7であることになぞらえ1年が数年分にも相当するという意味で「ドッグイヤー」という言葉が使われるようになりました。その後もさまざまな言葉で、経営環境の変化が速いことと、その変化に対応するスピードが重要な時代だといわれてきました。
新しい元号の時代に入ると、人工知能が考え・行動するようになって、もはや人間の能力ではとうてい追いつくことのできないようなスピードでさまざまな変化が起こるのかもしれません。
★ 今回のキーワードは、『 時代の変わり目 』です ★
ご存知の方も多いと思いますが、平成元年、当時ワープロを製造していた企業の担当者に対し、ある雑誌が行った「ワープロは、いずれなくなるのですか?」という質問に対し、以下のような回答が掲載されていました。
A社:ワープロは文書を書く機械に特化しているので、必要性はなくならない。
B社:ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう。
C社:人間の使う道具は使いやすさがいちばんなので、文書専用機として残るでしょう。
D社:パソコンとワープロはこれから共存共栄していく。
E社:ワープロが乗用車だとすれば、パソコンはトラックです。
F社:パソコンよりワープロの普及台数が伸びているので、ワープロ社会の到来のほうが早い。
ワープロの担当者が回答しているのでワープロを肯定するのは当然のことでしょうが、各社とも日本を代表する会社ばかりにも関わらず、今、ビジネスの現場でワープロを見ることはありません。このコラムをお読みいただいている方のなかには、ワープロをご存じない方もいるのかもしれません。これと同じようなことは音楽CDはじめ、ポケベルや携帯電話などでも起こっていて、近い将来には、人が自動車の運転をしなくてもよくなるでしょう。
ビジネスの現場で活躍する皆さまは、先にあげたワープロを製造する企業のように、今の仕事を肯定し、前向きに取り組むことは当然のことだと思います。元号が新たになる今年を「時代の変わり目」として、皆さんの関係する業界や顧客などが10年後どう変わっているか、これまでとはまったく違う価値観をもって想像し、行動を起こすタイミングとして捉えてみてはいかがでしょうか。
もちろん将来どうなるかは誰にもわかりませんが、元号が新たになる今年だからこそ、歴史を見直し、過去を振り返りながら、新しい価値観で将来を考えてみてはいかがでしょうか。IPCではこのような意見交換をしてみたいという方のご利用も大歓迎です。