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2017.06.30

「思い付き」と「思い込み」

2017.6.30

毎度、お世話になっております。プロジェクトマネージャーの百合岡です。

日本を代表する複数の企業が海外M&Aなどの投資で巨額な損失を出したとか、不都合なことを隠していたことが明らかになったなどとして、マスコミを連日にぎわせていました。M&Aを行うときには時間をかけ、数多くの案件を比較・検討、さまざまな角度から評価・分析を行い、各種専門家のアドバイスを求めるなど、万全な準備を行ったうえで意思決定され、実行に移った取り組みだと思いますが、失敗という結果に終わっています。

たまたま偶然、同じような内容の報道が続いたことから目にとまっただけで、実際には成功している会社も数多くあるのかもしれません。

★  今回のキーワードは、『 「思い付き」と「思い込み」 』です  ★

多くの人が検討にかかわり、さまざまな分析手法などを用いながら、少しずつ合意形成を重ね、実行に向けた意思決定を行った取り組みにもかかわらず失敗に終わってしまった理由の多くに、「いついつまでにM&Aを行うこと」といったように手段の実施が前提になっていることがあげられ、これはサラリーマン社長の会社で起こりやすい弊害のひとつだと指摘されています。かつて、オーナー経営者がワンマンで経営する企業ではKKD(勘・経験・度胸)で意思決定をしていることが失敗の原因だと指摘され、このために科学的な分析に基づく意思決定が必要だとされていました。

どのようなことでも成功しているときは「その方法」が正しいとされますが、いったん失敗すると、「以前の方法」や「別の方法」が良かったのではないかと指摘されるのは世の常だと思います。つまり、必ず成功する方法はないということです。そのようななか、人工知能(=AI)やIOTなどが第4次産業革命を起こすといわれ、時代が移り変わろうとしている途上の現在においては、経営的な複雑な課題であっても、科学的な根拠に基づき、論理的な分析を得意とするAIが結論を導き出すようになるのではないかと感じます。しかし、AIが導き出す結論は、これまで成功や失敗を繰り返しながら積み上げてきたいわば常識の総体といえますので、すべての企業が同じ情報を得ることになります。そのなかで差別化をするためには「常識を超える」こと、つまりいい意味で「非常識になる」ことが求められるように思います。

このような時代だからこそ「思い付き」と「思い込み」といった、客観的ではなくても「何となく」可能性の感じられる『人間臭い』分析や検討が求められる時代ではないかと感じています。

ただ、私自身どうしても常識的な考えを持つ傾向が強く、反省が必要だと感じています。

これからはIPCをご利用いただいている方々との意見交換をするときには、できるだけ人間臭く、非常識になることで新たな視点をお伝えできるよう取り組んでいきたいと思います。

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