2017.2.15
プロジェクトマネージャーの春川です。
メルマガ「巻頭コラム」からパスを受けましたので、今回は「ワイド・モート」について考えてみたいと思います。
世界一の投資家と称されるウォーレンバフェット氏。彼が投資対象にしている「ワイド・モートのある素晴らしい企業」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
■そもそも「モート(MOAT)」とは・・・
「外敵の攻撃に備えて、要塞や城の周囲に巡らされる“堀(濠)”」のことです。
したがって「ワイド・モートのある企業」とは、ライバルから簡単に攻め込まれないよう「広い堀(=参入障壁)」を築いている、競合優位性の高い企業のことを指します。
具体的には、顧客基盤・ブランド力・知名度・技術・ノウハウなどのように、その企業がこれまでの活動や経験によって高めてきた優位性を「モート」と呼び、それが「ワイド」な企業にバフェット氏は投資をしていると云われています。
■例えば我々は・・・
「最新テクノロジー」や「トレンド」などを取り入れたビジネスは、競争力が高いと考えがちです。事実、新商品・新サービス・新規事業などを考える際は、これらのキーワードをヒントに、“ネタ”を探すことが多いのではないでしょうか。
一方、バフェット氏はこのような要素にはいっさい目もくれず、たとえ地味であっても「ワイド・モートのある企業」に投資を行うことで、長期的な成果を上げています。
これは「短期的な優位性だけに目を奪われてはいけない」という、バフェット氏からのメッセージにも感じられます。
■「ワイド・モート」とは・・・
「顧客との関係性を深める」「事例やノウハウを蓄積する」「技術や技能を研鑽する」「経験豊富なプロフェショナルを育成する」など、日々の経営を通じて「長期的かつ“地道”」に掘り進めて行くものだと考えます。
・わが社における「モート」は何か?
・どこに向かって掘り進めるべきなのか?
・どれだけ深く、どれだけ広くする必要があるのか?
これらを明らかにし、社内で共有することで、事業の進め方は大きく変わるような気がします。
日々の業務にお忙しいことと思いますが、時に立ち止まり、自社の「“長期的”な競合優位性」について目を向けてみると、新たな気づきを得られるのではないでしょうか?