チーフプロジェクトマネージャー 松井 俊輔
7月28日に熊本で、マグニチュード7.1・最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」が発生し、多大な被害が出ています。また、新潟市内でも7月26日の大雨により、床上浸水などの大きな被害が発生しました。各地で天災が起きるたび、本コラムでも災害対策をご紹介してきましたが、今回はこれまで触れていなかった情報も加え、改めてご案内いたします。
◎被災直後
・被害を受けた箇所の写真を、「片づける前に」できるだけ多く撮影しておく
公的支援を受ける際や保険を請求する際、「罹災証明(りさいしょうめい)」を求められるケースが多くあります。フィルムカメラの時代と異なり、現在はスマートフォンで気軽に撮影できる時代です。後悔のないよう、さまざまな角度から複数ショットを撮影しておくことをお勧めします。
・罹災証明の発行手続きを行う
これまでは窓口申請のみの対応でしたが、今回の熊本地震からは電子申請(マイナポータル申請)が可能となりました。窓口申請に先駆けて受付がスタートしているため、迅速な申請が可能となり、その後の各種手続きもスムーズに進められます。
・加入している保険の内容を確認し、保険会社へ請求手続きを行う
国の災害支援による補助金や支援制度が発表されることもありますが、保険金との重複受給が認められる場合もあります。また補助金の場合、受付開始から受給までに時間を要することが多いため、まずは保険でカバーしておくことで復旧までの時間を短縮できます。
・各種公的支援制度を調べる
国が「激甚災害」の指定を行うとさまざまな支援制度が利用できるようになりますが、指定を待たずとも「災害復旧貸付」「セーフティネット保証の適用」「小規模企業共済の災害時貸付」などが先行して適用されるケースが多くあります。さらに激甚災害指定後には、「なりわい再建支援事業」や「小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>」の募集が始まる場合もありますので、常に最新情報へアンテナを張っておくとよいでしょう。
◎日頃の準備
・BCP(事業継続計画)を作成しておく
社員の連絡網や安否確認方法、仕入れ先の多角化(複線化)など、最低限の準備をしておくことで、自社が被災した際だけでなく、取引先が被災した際にも役立ちます。また、国の補助金申請においてBCPを作成していると加点対象となる場合があるため、その意味でも早めの作成をお勧めします。
・適切な保険へ加入しておく
「この機械が壊れたら事業が立ち行かなくなる」といった、事業運営に直結する機械や設備については、耐用年数や減価償却期間などを勘案しながら保険の加入を検討しておきましょう。迅速な復旧に役立つだけでなく、急な出費に頭を悩ませるリスクも減らせます。なお、商工会・商工会議所が会員向けに提供している「ビジネス総合保険」や「火災共済」を活用すると、個別で加入するよりも割安になる場合があります。
・小規模企業共済へ加入しておく
「経営者の退職金制度」として知られる共済ですが、一定額の積み立てがあれば、災害時に低利でスムーズな融資を受けられる「災害時貸付」を利用できます。被災直後は何かと資金が必要になる場面が増えるため、資金調達手段の一つとして用意しておくと安心です。
災害は起きないこと、そして被害を受けないことが一番ですが、自然の猛威を人の力で完全に防ぐことはできません。だからこそ、「事前準備」こそが唯一かつ最大のリスク回避策となります。「他山の石」や「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で終わらせず、日頃から「もしもの備え」を万全にしておくことを強くお勧めいたします。
また、新潟市では住宅・建築物等の安全対策に関する補助制度を用意しています。事業を続けるためには、住まいの安全は欠かせません。こちらも一度チェックされておかれると、より安心になるのではないでしょうか。
◎新潟市の住宅・建築物等の安全対策に関する補助制度
https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/kenchiku/kenchikuhojo/index.html