プロジェクトマネージャー 山崎 寛和
これまでの人生で、それほど大きな病気を患ったことがなく、健康には比較的自信がある方でしたが、昨年頃から体の不調などを感じることが増え、通院したり検査を受けたりする機会が多くありました。幸い今のところ重大な疾患は見つかっていませんが、改めて定期健診や早めの受診の大切さを実感している今日この頃です。
振り返ってみると、以前は体の気になる症状があっても、「忙しいから」「もう少し様子を見よう」と後回しにすることが少なくありませんでした。その積み重ねが今になって表面化してきたのではないかと感じています。
そこで今回は、「メンテナンス」をテーマにお話ししたいと思います。
一般的にメンテナンスとは、機械や設備、建物などが故障しないよう定期的に点検・整備を行うことを指します。今回はそれに加え、人の健康診断や会社の経営診断なども含めた、より広い意味での「メンテナンス」として考えてみたいと思います。
メンテナンスの目的は、故障や不具合が発生してから対応することではなく、「問題が大きくなる前に気付き、未然に防ぐこと」です。異常を早期に発見できれば、修理や改善の負担も小さく済みます。
例えば、機械や設備のメンテナンスを考えてみます。製造業や飲食店などでは、設備の突然の故障によって生産や営業が止まってしまうことがあります。定期点検や部品交換を行っていれば防げたトラブルだった、というケースも多いようです。「まだ使えるから」と先送りした結果、大きな修理費用や機会損失につながってしまうことになります。
これは人の健康も同じです。健康診断や人間ドックなどを定期的に受けることで、自覚症状がない段階で病気が見つかることがあります。仕事が忙しいと、つい自分のことは後回しになりがちですが、健康を損なってしまうと仕事そのものを続けることが難しくなる可能性もあります。事業を支える経営者にとって、自身の健康は何より重要な経営資源と言っても過言ではありません。また、十分な休養や気分転換の時間を取ることで、体だけでなく心のメンテナンスにもつながります。
そして、会社や事業の経営にもメンテナンスが必要です。
事業が順調に進んでいる時ほど、「今のままで大丈夫」と思いがちですが、市場環境や顧客ニーズ、競合の状況は常に変化しています。定期的に経営状況を振り返り、売上や利益、資金繰り、販路、組織の状況などを確認することで、小さな変化や課題に早く気付くことができます。
人はなぜメンテナンスを後回しにしてしまうのでしょうか。
「今は問題ないから大丈夫」「忙しくて時間がない」「不具合が出たら対応すればよい」「費用がもったいない」・・・
これは健康でも、設備でも、経営でも、多くの人が共通して抱く心理です。しかし、実際には問題が顕在化したときには、修復コストが何倍にも膨らんでいることが少なくありません。
そう考えるとメンテナンスは、「リスク管理」と言い換えることができます。問題が起きてから対応するよりも、日頃から点検や確認を行い、小さな異変の段階で対処する方が、時間も費用も少なく済みます。
更に言い換えると「メンテナンスはコストではなく投資である」と言えるのではないでしょうか。
-健康診断は医療費を抑えるための投資
-設備点検は生産停止を防ぐための投資
-経営相談は事業の損失を防ぐための投資
そのように考えれば、後回しにすることなく、積極的にメンテナンスを行う気持ちになっていけそうです。
新潟IPC財団では、創業時のご相談だけでなく、一度ご相談いただいた事業者の皆様へのアフターフォローにも力を入れています。ご相談後に事業が軌道に乗ってからこそ、新たな課題が生まれることもあります。「特に困っている訳ではないが、気になっていることがある」「現状を整理し、今後の方向性を検討したい」といったタイミングでも、経営の定期点検・メンテナンスの場として、お気軽にご相談いただければと思います。
「気付いてからでは遅い」という場面は、設備にも、健康にも、経営にも共通しています。まだ大丈夫だと思う時こそ、定期的なメンテナンスを習慣にし、未来の安心につなげていただければ幸いです。