プロジェクトマネージャー 山崎 寛和
新年度も1か月を過ぎて新緑も鮮やかになり、新潟では一年の中でも過ごしやすい季節と言われる5月半ばを迎えました。社会や市場環境が急速に変化する中でも、新たなチャレンジとして起業や新事業に取り組む事業者の方が多い時期でもあります。それに伴い、補助金の活用を検討される方も増えており、関連するご相談も多く寄せられています。
新潟IPC財団では、今年度「新市場チャレンジ補助金」と「食の商品開発補助金」の2事業を実施し、新潟市内事業者の新たな取り組みを支援しています(※両補助金とも4月30日で事前相談受付を終了しました)。
このうち、私が担当する「新市場チャレンジ補助金」は、昨年度まで実施していた「新事業ブーストアップ補助金」と「技術アイデア実行支援補助金」を見直し、リニューアルした内容となっています。特徴としては、
①社会や市場ニーズを捉えた成長性の高い新事業を支援すること
②社会課題の解決につながる取り組みを重視していること
の2点が挙げられます。
今年度は事前相談期間・募集期間を前倒しして春先から受付を開始しましたが、例年に比べて事前相談件数が大幅に増加しており、多種多様な事業アイデアが寄せられています。個別内容には触れませんが、今年度の傾向として感じるのは、福祉分野や環境配慮型など、社会性の高い事業が増えていること、そして活発に活動されているシニア世代からのご相談が多いことです。
勢いのある若い世代から刺激を受ける場面も多いですが、経験豊富でエネルギッシュなシニアの方々と接していると、こちらも勇気づけられる思いがあります。
では、どのような新事業が成功につながりやすいのでしょうか。絶対的な正解はありませんが、補助金相談を通じてよく感じるポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
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① 自社リソースの活用
自社の強みやリソース(技術力、ノウハウ、ネットワーク、資産等)を最大限活用している
⇔強みが活かされていないと、他社との差別化や実現性が弱くなりやすい。
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② 既存事業との相乗効果
既存事業との相乗効果や、会社全体の成長につながっている
⇔既存事業との関連性が薄い場合、経営上の効果が限定的になりやすい。
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③ 顧客・社会ニーズの把握
顧客や社会のニーズを的確に捉えている(潜在需要を掘り起こしている)
⇔作り手本位の「プロダクトアウト型」では、市場に受け入れられにくい。
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④ 事前準備・検証の充実
事前のリサーチやテスト、準備期間を十分に確保している
⇔検証不足のまま進めると、期待した成果が得られなかったり、想定外のトラブルにつながったりする。
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⑤ 実施体制・継続性
実施体制・人員体制が整っており、継続性がある
⇔一人の担当者に依存すると、遅延や継続困難につながる恐れがある。
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⑥ 目的・目標の明確化
新事業に取り組む目的や目標が明確である
⇔「補助金申請そのもの」が目的化してしまうと、事業の方向性が曖昧になりやすい。
どれも一見すると当たり前の内容ですが、裏返してみると意外と見落とされがちな点であることに気付きます。せっかく良いアイデアがあっても、準備不足や方向性のズレによってチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないことですので、改めて事業計画を見直してみることも大切ではないでしょうか。
また、新事業に向けて補助金を活用する場合、資金面の支援だけでなく、「自社の事業計画を見直す良い機会になる」という点も大きなメリットです。
補助金申請では、自社の現状や課題を整理し、それらを踏まえて「どのような新事業を行うのか」を検討する必要があります。市場調査を行い、目標を設定し、具体的な実行計画へ落とし込んでいく。そのプロセス自体が新たな気付きにつながり、会社全体の課題解決や成長につながるケースも少なくありません。
新潟IPC財団では、起業相談だけでなく、既存事業者の新事業展開に関するご相談も多くいただいております。近年では、補助金採択後の中間ヒアリングやフォローアップも強化しており、補助事業の着実な実行に向けた支援を行っています。
また、補助金申請の有無に関わらず、自社の成長や地域経済の活性化に向けて新たなチャレンジに取り組む皆様を、今後も積極的にサポートしてまいります。ぜひお気軽にご相談ください。