プロジェクトマネージャー 秋山 智子
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
IPCプロジェクトマネージャーの秋山智子(あきやまともこ)と申します。
2026年が、皆さまにとって前向きな挑戦と成長の一年となることを心より願っております。
新年早々、南米ベネズエラへの大規模攻撃という地政学的にも緊張が走るようなニュースが飛び込み、私がJICAに勤務していた際に関わった方々やベネズエラ人の友人たちのことを心配しておりました。渡航前は先入観だらけでしたが、ベネズエラはいまや、私にとって最も美しい自然と美しい人々が暮らす国の一つです。この先の動向がとても気にかかります。
海外の事情は、自身のビジネスとはあまり関係がないのではと感じる方もおられると思いますが、身近なところで影響を受けています。
例えば、コーヒー好きな方は多くいると思いますが、最近のコーヒー価格の上昇レベルに驚きませんか。カフェや飲食店を経営されている方々には深刻な課題です。
いったいどのような背景があるのでしょうか。
世界最大の生産国ブラジルのコーヒー豆に対し、米国の高関税が課せられた結果、買い控えなどにより価格が急騰。世界のコーヒー市場が品薄となり混乱が生じ、関税は一部撤廃となったものの、この影響は2026年もしばらく続くと言われています。世界の様々な変化は私たちの生活にも影響しています。
そこで、新年のスタートにあたり、昨年の世界の動きと、これからのビジネス環境を考えてみたいと思います。
PEST分析(Politics, Economy, Society, Technology)。
【政治(Politics)】
2025年は、地政学の影響を強く感じる一年でした。ロシア・ウクライナ情勢の長期化により、エネルギーや物流の流れが引き続き影響を受けました。また、日本では中央アジアや中東、東南アジアとの外交など、特定の国に依存しすぎない国際関係づくりが進められました。政治の動きは、まさにビジネス環境に直接影響しています。
2026年は、地域ごとの連携がさらに進むと考えられ、特に中央アジアや中東などのこれまで日本企業の関与が限定的だった地域との関係強化が進みそうです。
【経済(Economy)】
2025年は、 物価上昇や為替の変動が企業経営に大きな影響を与えました。円安傾向が続いたことで、輸出関連企業には追い風となる一方、原材料やエネルギーを輸入に頼る企業はコスト対応に追われました。また、関税等によるサプライチェーンの見直しとして、生産拠点や調達先を分散する動きが加速しました。
2026年は、新興国市場への関心が高まり、長期視点での投資や事業展開が重要になりそうです。為替や物価変動を前提とした経営が求められます。
【社会(Society)】
2025年は、 人材不足と働き方の変化がより鮮明になりました。少子高齢化が進む日本では、外国人材の活用や、リスキリング(学び直し)への投資が進んでいます。また「働きやすさや企業姿勢を重視する」価値観が広がり、福利厚生や自身の成長を実感できる仕組みの見直し等、企業の人材戦略が問われました。
2026年は、人材確保と育成が引き続き大きな課題です。多様な人材を活かせる企業が選ばれる時代になりそうです。
【技術(Technology)】
2025年は、生成AIの業務活用が一気に広がりました。資料作成、翻訳、データ分析など、日常業務にAIを取り入れる企業が増え、生産性向上が現実のものとなっています。一方で、情報管理や使い方のルールづくりも重要なテーマとなりました。また、情報セキュリティへの深刻な脅威により、対策の検討が必要となりました。
2026年は、AIやデジタル技術は「導入」から「定着・活用」の段階へ進み、業務改革の差が成果の差につながっていくようです。
このように取り巻く外部環境を分析し、地政学リスクを考慮しながら新たな機会を見つけ、そして生成AIの活用がポイントになってくるようです。
中央アジア:
そのなかでも今回は、中央アジアに着目してみると、先月2025年12月東京にて、「中央アジア+日本」の首脳会合が行われ、地政学的およびエネルギー・資源鉱物における重要性などが話し合われ、中央アジアの戦略的重要性を示すイベントとなりました。(中央アジアの首脳会合出席5カ国; カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン )
カザフスタン:
また同日、日本とカザフスタンとの首脳会談において、両国の協力関係を「未来志向の拡大戦略的パートナーシップ」に関する共同声明を発出。政治、経済、文化などの更なる協力拡大が期待されています。
そこで、まだ知られていないカザフスタン市場についてご案内します、下記ビジネスセミナーを開催予定です。
「カザフスタンに企業の注目が集まる理由 「日本品質の期待が高まる市場」
~ビジネスチャンスをみつけるヒントを徹底解説~」
日時:2026年1月19 日(月)15:00-17:00(会場:IPC財団)
内容: カザフスタンの経済・ビジネス環境、海外ビジネスの失敗と成功事例 ほか
対象:リスクを抑えて新市場開拓を始めたい方、中央アジア・カザフスタンに関心がある方ほか
講師:
・国際協力機構(JICA)カザフスタン・ビジネス振興専門家 村山氏(新潟市出身)、
・元ブックオフコーポレーション株式会社 海外事業担当 小野沢 氏
お申込み、詳細はこちらへ https://niigata-ipc.or.jp/seminar_event/28716/
おわりに
私は2021年までJICA職員として、日本企業とともに海外進出を進める官民連携事業(開発途上国に資するSDG’sビジネス)を実施統括し、世界各地の変化に大きな影響を受けながら、0→1のビジネスを進めてきました。日本でも、身近なところでは物価高などの影響を皆さまも感じているかと思います。環境の変化を読み解くことで、リスク管理、競争優位の確立、長期的な成長への可能性が広がります。
私たちIPCでは、2026年の外部環境(PEST分析)を踏まえたビジネス戦略を、挑戦される皆様とご一緒に検討しご提案させていただきます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
秋山 智子