プロジェクトマネージャー 松井 俊輔
今年も残すところ、あとわずかとなりました。「年齢を重ねるほど、1年が経つスピードが上がる」とはよく言われることですが、特に2025年はビジネス環境の変化が激しく、例年以上に「あっという間」と感じた方も多いのではないでしょうか。
この1年、皆様のビジネスにはどのような変化がありましたか? 日々の業務に追われていると、どうしても「できなかったこと」に目が向きがちです。しかし、次の一歩を踏み出すためには、自分自身のポジティブな変化を正しく認識することが欠かせません。
先日、ある相談者さんから素敵な習慣を教えていただきました。それは“3 good things”、その日あった良かったことを3つ記録する、というシンプルなワークです。これを2025年という1年間のスパンに応用して、私のビジネスにおける「3つの良い変化」を振り返ってみたいと思います。
- AIとの共生:業務効率を「1/10」に圧縮する
2025年は、AIが「話題のツール」から「不可欠なビジネスパートナー」へと進化した1年でした。各社のAIモデルがアップデートを重ねたことで、実用性は飛躍的に向上しました。 特に画像生成や編集機能は、プレゼン資料や販促物の作成においてプロレベルのクオリティを短時間で実現できるようになりました。また、情報収集の面でも驚くべき変化があります。例えば、飲食店開業に必要な許認可の手続きなど、公的機関が発信する複雑な情報を整理する場合、これまでは数時間かけて調べていたものが、今では精度を保ったまま1/10以下の時間で完了します。 一人で考える際の「壁打ち相手」としても、AIの思考はより深化しました。2026年は、AIをいかに使いこなすかが、ビジネスの競争力を左右すると改めて確信しています。
- キャリアの再定義:あえて「手放す」ことで得た新境地
長年、経済産業省管轄のコンサルタント資格に挑戦してきましたが、思うような結果が出ず、今年、思い切ってその挑戦を「一時休止」するという決断を下しました。代わりに挑戦したのが、厚生労働省管轄の「キャリアコンサルタント」の資格取得です。 この方向転換により、これまでの「提案・解決・スキル重視」という攻めの姿勢(経産省系)に加えて、「傾聴・受容・自分らしさの追求」という守りと共感の姿勢(厚労省系)という新しい視点を持つことができ、自身の“引き出し”を増やすことができました。試験のスタイル一つとっても、ストレスをかけて選別する「ひっかけ系」に対して、受験者に寄り添う「親切系」と違いがあり、その文化の違いに驚かされました。 一つの道に固執せず、今の時代に求められる「人に寄り添った支援の在り方」を学び直したことは、経営コンサルタントとしての幅を大きく広げてくれたのでは、と思うところです。
- 移動による視点の相対化:外の世界から見る「新潟」
今年は中国・上海をはじめ、東北、四国、九州など、国内外を回る機会が得られました。特に上海の進化のスピードは凄まじく、街全体がシステムごとアップデートされているような衝撃を受けました。 一方で、国内各地を歩くと、新潟の「当たり前」が実は「特別」であることに気付かされます。スーパーに並ぶ食材、飲食店での味付け、接客の距離感。他地域の食文化やサービスに触れることで、「新潟でこの商品を売るなら、どのような味付けが好まれるか」「新潟の良さをどう外に伝えるか」という視点がより鋭敏になりました。
いつも生活しているエリアから、物理的に身体を離してみることで見えてくるモノがあると、再認識しました。
私たちは年齢とともに、つい「知っていること」の範囲内で物事を判断してしまいがちだったり、どうしても自分のスタイルに固執しまいがちです。しかし、新しいツールに触れたり、新しい学びを得る機会を作る、いつもとは違う場所にあえて身を置いてみる。その小さな一歩の積み重ねが、ビジネスにおける「しなやかさ」を生むのではないでしょうか。
皆様も2025年の締めくくりに、ご自身の「3 good things」を探してみませんか? 意外な自身の成長の気づきや、2026年に繋がるヒントが見つかるはずです。
みなさまが良い年末年始を迎えられ、 2026年がさらなる飛躍の年となるよう、IPCスタッフ一同、心より願っております。