プロジェクトマネージャー 松井 俊輔
最近、朝から「あんぱん」に夢中な松井です。と言っても、食べる「あんぱん」ではなく、今年4月から始まったNHKの朝の連続ドラマ小説「あんぱん」のことです。ストーリーだけでなく、個性豊かな俳優さんの演技も魅力的で、久しぶりにこのドラマ枠を楽しく見ています。その中でも、主人公とその弟の伯父役を演じる竹野内 豊さんに、私は特に注目しています。甥っ子2人の人生を導く良きメンター(助言者)として、彼らの悩みが軽くなるアドバイスを的確に行う姿が印象的で、見ているこちらの心にも響くアドバイスが多いです。みなさんも、自分にとってのメンターはいらっしゃいますか?
IPCで相談者さんから経営相談を受けていて、事業を順調に進める上で、次の3つの点を押さえることが重要だと、最近特に感じています。
1つ目は、「その事業を行うための技術・スキルを持ち、向上すること」です。美容師さんなら、お客さんが満足するカット技術、料理人の方なら、お客さんに美味しいと思ってもらえる料理を作る技術がこれに当たります。
2つ目は、「集客に繋がるPRを行うこと」です。せっかく高い技術があっても、知ってもらえなければ、お客さんは来てくれません。SNSやホームページ、口コミなど、自分の事業を効果的にアピールする方法を見つけ、魅力を発信していくことが当たります。
3つ目は、「スムーズに、かつ効率的に事業を行うための管理をすること」です。せっかくお客さんがたくさん来てくれても、お金の管理や材料の管理ができていなければ、事業を続けていくのは難しくなります。
こういう形で整理すると、3つのことに取組むのは当たり前と思われる方がほとんどだと思いますが、いざ、ご自身が経営者として事業をスタートされると、抜けなく・漏れなく・十分に、この3つの点を実行するのは想像以上に難しいものです。
特に「集客に繋がるPRを行うこと」を苦手とされる方、優先順位を下げられる方が多くいらっしゃると、相談を通して感じる場面が少なくありません。技術や商品には自信があるけれど、「自分をアピールするのは恥ずかしい」「何から始めていいかわからない」といったお声をよく耳にします。しかし、どんなに素晴らしい技術や商品も、お客さんに知ってもらえなければ価値を発揮できません。もっと掘り下げると、「自分のことを全く知らない人に、知ってもらう」という前提でPRを行うぐらいの気持ちで考え、取組まれた方がよいかもしれません。
現在、新潟市では「新チャレンジショップ事業」の参加者を募集しています(2025年6月23日(月)締切)。この事業は、①新潟市が用意したキッチンカーや物販ブースを廉価で借りながら、お店運営を実際に経験できる、②事前セミナーの受講や、お店運営中に専門家に相談できる、という内容で構成されており、「飲食店を始められるかどうか、まずはチャレンジしてみたい」という方に最適な事業です。
出展される方は、キッチンカーでカレーを提供されている「うめやんKitchen」の梅澤 俊広さんから直接アドバイスを受けられるため、事業が初めての方も安心してスタートできます。もちろん、IPC財団としても、体験期間中の随時相談対応という形でしっかりとお手伝いしますので、頼れる「メンターチーム」も準備されています。ドラマの竹野内豊さんのように、皆さんの事業の歩みを支える心強い存在になれればと思っています。
ぜひ、この機会に「新チャレンジショップ」事業を利用して、実際の事業運営を体験し、その体験を通して「事業を順調に行う上での3つのポイント」を実践的に学んでみませんか。きっと、ご自身の新たな可能性を発見できるはずです。実際に事業を体験することで、本やセミナーだけでは分からない生の課題や喜びを感じることができ、それが今後の事業計画により深みと現実味を与えてくれるでしょう。
竹野内 豊さんは、ドラマの中で様々な“金言”を語りますが、私が一番心に残ったのが「人生は喜ばせごっこ」という言葉です。このドラマのモデルとなった、“あんぱんまん”の作者・やなせ たかしさんの言葉が元になっているセリフとのことですが、仕事でも私生活でも、この精神を大切にしていきたいと改めて思いました。
皆さんも、誰かを喜ばせることから始まる事業を、考えてみませんか。事業の根底にこの思いがあれば、きっと多くの人に愛される事業になるはずです。
◇新チャレンジショップ事業案内HP
https://www.city.niigata.lg.jp/business/shoko/shokoshien/sogyoshien/shin_challenge_shop.html