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2025.04.15

他者の為に

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

 

 

 今年の新潟は、暖かい日と寒い日が交互に訪れ、桜の開花も遅れたため、なかなか春を感じられませんでしたね。

私事ですが、子供の高校卒業、大学進学というタイミングが重なり、卒業式・入学式というイベントを通して、春の訪れを感じることができました。ありがたいことに、それぞれの式に参加する機会を得て、式辞を拝聴することもできました。

 

 高校の卒業式では、実業家として成功され、現在も経営者として第一線で活躍している理事長からの式辞。大学の入学式は、長年、教員・研究者として活動されてきた学長からの式辞と、話される方それぞれのバックボーンは異なりましたが、共通するメッセージがありました。

 

 式辞で使われた言葉は、

 ・高校:(この先の人生)素直・謙虚・自立・良心のままに、ほんの少しでも世の為、人の為になる生き方をしよう

 ・大学:社会的に不遇な立場に置かれている人に寄り添い、そうした人々から学ぶ大切さを大学時代に経験してほしい

とそれぞれ表現は異なるものの、学生に伝えたかったことは「他者を思いやる大切さ」だったのでは、と理解し、社会人歴30年を超えた私自身も襟を正す気持ちになりました。

 

 特に、熾烈な業界競争を勝ち抜き、経営者として成功した高校の理事長が、「競争に勝つ」という話ではなく、「他者への思いやり」の話をされたことに意外性を感じました。しかし、一代で事業を成功させた人が、これまでの人生を振り返った上での言葉なので、事業を成功させるためだけでなく、人生を生きていくうえで、このような視点も重要であると、改めて伝えたかったのではないかと思い、その重みを感じました。

 

 2020年から今年2025年までのわずか5年間で、私たちのビジネス環境、生活環境は激変しました。コロナ禍、米中対立、トランプ関税、中国経済の減速、ロシア・ウクライナ戦争。これらの問題は、個人はおろか、企業、国家さえも容易に対応できるものではありません。

もちろん、危機に対応する個々の動きや準備は大切ですが、「自分の生き残り」だけに注力するのではなく、一人でも、そして少しでも「他者の為に」という考えを持つことが、社会全体として危機を乗り切ることにつながるのではないか、と、式辞から考えさせられた良い機会でした。

 

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