10月30日(水)に、『創業時から考えるべき海外販路 ~BtoB越境EC~』と題してセミナーを開催しました。
講師には、国内の中小メーカーのBtoB海外販売を支援し、海外134か国へ展開しており、 特にECを利用した越境BtoB販売、それに付随する物流、決済、広告、商習慣などにも知見を持つ、株式会社ラクーンコマース BtoB 中小企業 越境ECコンサルティング担当 元 健一郎 氏 です。
人口減少により、日本の市場はますます縮小する中、今後海外への販路拡大は無視できない状況になってきています。創業時から考えておくべき海外販路のポイントについて学びました!
■海外販売の障壁と可能性
障壁として、
- 取引先発掘
- 交渉契約
- 物流
- 決裁
- トラブル対応
等が挙げられます。
それぞれの項目で具体的な項目や注意すべき点をご説明いただきました。
例えば、
「船でダンボールを送ると湿度で”ふにゃふにゃ”になってしまうときがあるので輸送方法に応じて梱包を変えている。」
「決裁が後払いになることが多々あるため、未回収金や為替の影響に注意しなければいけない」
「トラブル対応で一番多いのは不良品であり、その他にも配送遅延や荷物紛失が良く起こる。ただ、”なんやかんやなんとかなる”くらいの気持ちで恐れずに取り組んで欲しい。」
等々の注意点をご説明いただきました。
「このように多々注意点があり海外展開は簡単ではありません。
一方でだからこそ可能性があり、まだまだブルーオーシャンなので日本よりも大きな市場があります。
そのため、創業時から海外展開へ対応できるように、意識した仕組み作りが大切」
とのことでした。
■創業時の成功事例
成功事例として食器メーカーの創業事例をご紹介いただきました。
- 起業時から日本とアメリカの2拠点に在庫を置き
- SNSの2言語運営
- アービトラージによる高価格、高利益
このような施策により、結果的に創業1年で売上の6割がアメリカとなりました。
この創業者の方は日本とアメリカで販売をしているので24時間注文がくるようになり非常に事業が上手くいっているとのことでした。
■創業時の失敗事例
失敗事例としてステーショナリーメーカーの創業事例をご紹介いただきました。
こちらの企業はDtoCとして立ち上げました。DtoCのメリットを活かし、上代設定をかなり安く設定し、売上を拡大させることができました。
一方で、DtoCが頭打ちになった際に新たに海外展開を進めていきました。しかし、当初は海外展開を想定していなかったため、Webサイトが海外に対応していなかったり、設定した上代が足かせとなり、海外で売れても薄利になってしまい海外展開を取りやめてしまいました。
こちらの事例以外にも代理店契約に関する失敗事例もご紹介いただきました。
最後に講師から、
「日本で事業を始める際に”まずは国内で基盤を固めてから!”と思っている方が非常に多いと感じます。
しかしながら、後から海外展開を行おうとすると余計なコストや弊害が生じてしまいますので”海外展開に対応したHP”、”SNSの運用”、”メインバンクの海外送金手数料”等々を意識して事業を初めて欲しい。」
と締めくくって頂きました。
受講された皆さま、ありがとうございました。
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