新潟IPC財団が支援した事業者様を紹介する「支援事例」シリーズ
第2回は、新潟市南区で家具の製造販売を行っている「株式会社朝倉家具」様です。家具製造への想いや、当財団を利用したキッカケなどをお聞きしました。
株式会社 朝倉家具
会社概要
▷代表者/朝倉 佑介 様
▷所在地/新潟市南区茨曽根(本社/加茂市)
▷事業内容/家具製造・販売
▷創業/昭和42年
▷HP/https://asakurakagu.co.jp/
家具製造にかける想いと地元素材の「亀田縞」から生まれた家具屋の新ブランド
Q1:事業内容を教えてください。
1950年に桐たんす製造会社として創業しました。「素材の魅力を引き出すモノづくり」を行う朝倉家具は、加茂市に本社を、新潟市南区にショールームと製造工場を置いています。年代・時代を問わない人々の暮らしに馴染み、世代を超えて長く愛される製品を作る、という想いは創業時から変わっていません。
現在は、家庭用の家具製作をはじめ、公共施設の什器製作、古い家具のお直し、木製の雑貨製造なども請け負っています。近年は、使用する木材を国産の木材へシフトさせ、新シリーズの家具も発表しています。
Q2:利用のキッカケとなった“悩み“は何ですか。
補助金は、新たな取り組みを行う際に、我々の背中を押してくれる大きな後ろ盾であると考えています。資金の補助がある他に、第三者からの意見・指導を頂けることも魅力です。
IPC財団の補助金では、申請時のプレゼンテーションや事業の実績報告会といった審査の場があり、審査委員から直接質問や意見を頂けます。それが元となり、計画のテコ入れや新しいアイディアが生まれたりすることもあります。
まさに今回は「ホームファッションブランドの立ち上げ」という既存事業の枠を超えた新たなチャレンジでしたので、この補助金を活用しました。
申請のキッカケは、自社ブランドに力をつけ商品の幅を広げる必要性を感じていたことでした。さらに、家具・インテリアは耐久消費財のため、人口減少や景気の影響を受けやすいという状況に置かれています。そのため自然素材を活用した買い替えのサイクルが短いカーテン、ウェア等のアイテムを作ることで、家具だけではない総合的なインテリアブランドとしての確立と、地元新潟の繊維産業を盛り上げることを企画しました。
Q3:IPCを活用して何に取り組みましたか。
既存事業であるインテリアの製造販売で培った視点を元に、ホームファッションブランド【yeto(イエト)】の立ち上げを行い、その第1弾として「亀田縞*」を起用した「カーテン」と「リラックスウェア」を開発しました。ブランド構築として、ブランド名やメッセージの作成から、販促リーフレット・WEBサイトの制作を行っています。
【yeto(イエト)】は、「自分と家の関係性」において「自分と家が寄り添っていること」を表しています。日常生活の中で、家と外で過ごす自分に違いを感じることがあると思いますが、その内と外の自分の差異をフラットにできる、自分のニュートラルな部分をそのまま「家と一緒に持っていける」という想いが込められています。
*亀田縞:江戸の伝統色で織られ、柔らかな風合いと丈夫さを備えた日本の伝統生地(引用:亀田繊維工業協同組合 kamedajima.net)
Q4:取り組んだ結果、どのような成果が得られましたか。
ショールームで、一般のお客様へ販売を行うとともに、既存の取引先からも興味を持っていただき、卸販売も開始しました。
新規取引先獲得のための営業活動においても、家具や雑貨からホームファッションまで、と提案の幅の広さに驚きと好感を持っていただき、この補助金を活用してチャレンジした新規事業の存在は、新規取引開始の一助となっています。
また、社内で新事業の企画や進行に携われる人数が少ない中での申請だったので、審査委員やIPC財団のプロジェクトマネージャーから意見や感想を頂けることで、本事業を多くの視点で見ることができたように思います。
Q5:今後の展開を教えてください。
朝倉家具は、既存事業である木工業において「自然との共生」を使命とし、主に国産材を使用した持続可能なものづくりを行っています。
引き続き、新たな樹種を使用するなどの取り組みや新製品開発を行うことで、自然物と共に生きる気持ち良さや癒しを提案していきたいと考えています。
新事業【yeto(イエト)】は第1弾のみに留まらず、第2弾の開発を検討しています。
本ブランドのコンセプトである、「ナチュラル・ローカル・エシカル」に基づき、第2弾も新潟県内の素材を使うことで他社との差別化を図りながら、地元製品の開発・地元産業の発信を行います。ストレスフルなこの時代に、「優しい素材感の天然素材がある暮らし」の提案を進めていきます。
補助金は資金補助としてだけでなく、新事業や新製品の計画を言語化・数値化し、最初にプレゼンする場としても役立ちます。申請時、また事業進行中も継続してサポートを受けることができます。
利用した支援メニュー
主に令和4年度新事業ブーストアップ補助金を活用。新事業ブーストアップ補助金以外にも、別の補助金を複数回活用。