最新情報
2023.10.16

友、遠方より来る、また楽しからずや

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

 

 ますます時間に追われ、忙しくなる現代人の生活。「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が強まるのも仕方がない、と感じます。実際、私自身も、ネットで動画を見るときは、等速で見ることはほとんど無くなってしまいました。仕事にも追われ、「もうちょっと時間があれば」と、ついつぶやいてしまう経験、誰もが持っているのではないでしょうか?

 先日、「時間」について、改めて考えさせられるセミナーに参加しました。セミナー講師は20年来親しくしている友人で、埼玉から新潟に来てもらっての開催でした。これまで彼の仕事ぶりを目にする中で、「毎日とんでもない仕事量をこなし、成果を出し続けている」ことを知っていましたが、今回のセミナーの中で、彼が日頃から心掛けている「仕事の生産性を高めるコツ」を紹介してもらい、その理由の一端がわかりました。彼の了解を得て、皆さんにも共有したいと思います。

 

◎仕事の生産性を高めるコツ(組織的取組み)

 ・組織の方向性、方針を全員で明確にしておく

 ・1人で複数業務をこなせる人材を評価する、組織の価値観を作る

 ・相手のある仕事は早めに行う。自分個人の仕事より相手の仕事を優先する。

 ・仕事にウエイトを付ける。重点作業以外、時間をかけない。場合によっては切り捨てる。

 ・何を決める会議(打ち合わせ)なのか明確に。会議にかけてよい時間をあらかじめ設定する。

 

◎仕事の生産性を高めるコツ(個人的取組み)

 ・計画を立てる(段取り八分)

  ・1か月先のスケジュールを立て、毎朝チェックする

  ・納期を最優先し、仕事の着手順、着手日を決める

  ・突発的な要件に備え、余裕時間を設けておく

 ・ゴールを明確にする

 ・複数の仕事を同時に流す習慣をつくる

 ・同じ結果を出すのに、別のやり方がないかを考える

 ・定時に事務所を出る、と思って仕事をする

 ・「スピード」を、行動スピード>思考スピード>作業スピード、の順と認識し、行動スピード、思考スピードを早める意識を持つ

 ・給料の1%は自分のために投資する

 ・「なぜ~だろう」と、常に考えるクセをつける

 

 日頃、彼にメールを送っても通常で即返信、遅くても半日以内に返事があるので、「忙しい仕事をしながら、どうやっているのか?」と疑問に思っていましたが、このような意識を持って過ごしていると教えてもらうと、そのスピードの速さにも納得です。

 

 個人的に取り入れたいと思ったのが、

 ・行動スピード、思考スピードを早める意識を持つ

 ・同じ結果を出すのに、別のやり方がないかを考える

をセットで取組むことです。

 

 行動スピードを早めるとは、まずできるところから手を付ける、という行動が挙げられると思います。そのことによって、特に初見の仕事の場合、これまでの経験で比較的簡単にできそうな仕事か、または、じっくり腰を落ち着けて取り組まないといけない内容の仕事かの「あたり」を付けられる事ができます。そのため、その後の作業がスムーズになることがメリットの1つです。

 

 次に思考スピードを早めるとは、自分の中で作業手順や作業方法のストックをいくつか持っておき、事案によって最適な手順・方法を選択する、ということになります。ストックを増やす手段として、日頃から「別のやり方がないかを考える」、という思考を繰り返す事で効果が期待できます。

 

 元マイクロソフト社の社員で、Windows95の開発に携わった中島 聡さんが著書「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」でも同種の方法が紹介されています。

 

「ロケットスタート時間術」という名前で紹介されていますが、

・仕事に取り掛かる場合、まずスケジューリングを行う時間を作る。時間は、指定された期間の2割。

10日納期の仕事の場合、2割に当たる2日間で8割終わらせるつもりで全力で取り掛かり、全体でどれぐらいの時間がかかりそうかを確認する。

・この2日間が終わった段階で、全体の6割未満しか終わっていなかったら、仕事の依頼先にスケジュール変更を申し出る。

・逆に、8割方完成していれば、依頼先に「予定通り10日で大丈夫」と伝える。

・残った8日間で仕事の完成度を高めながら、生まれた余裕で、次の仕事の準備を行う。

という方法です。

 

 すべての仕事のやり方が、友人の仕事方法や、中島さんのロケットスタート時間術で上手くいくとは限りませんが、まずはできるところから試してみてはどうでしょうか?

 

 友人の仕事術、納得できる方法がほとんどですが、「給料の1%は自分のために投資する」については、苦言を呈したいと思いました。

 彼は仕事を兼ねた“飲みニケーション“が多く、帰宅前にコンビニに立ち寄って、酔った勢いで目に付いた書籍や漫画を買う癖があります。酔っているので、以前買った書籍を重複して買う事や、朝になって、なぜこの漫画を買ったのか、わからない時が度々あるとのことです。このような”無駄遣い自己投資“が、お給料の1%を優に超えているのではないか、と彼の家計の心配をしてしまいます。また仕事同様、毎日のアルコール摂取量、ショートスリーパーぶりも人並み外れているので、友人として彼の健康も心配なところです。

 

 

◎なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である(中島聡 著)

https://bunkyosha.com/books/9784905073413

メールマガジン登録 Mail Magazine

新潟IPC財団メルマガに登録すると、新潟のビジネスに役立つ情報をお届け!ぜひご登録ください。