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2023.04.17

友だち100人できるかな

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

 

4月はご自身に限らず、周りの方の進学や異動など、「新しい人間関係作り」という場面に出会う機会が多くなります。

日々、皆さんからのご相談を受けていて感じる事の一つに、ビジネスをスムーズに行っていくうえで「仲間づくり」「協力者を増やす」という行動が重要な要素になる、ということがあります。

良好な人間関係作りの必要性、というのはビジネス、プライベート問わず重要なのは誰もが否定しない事ですが、最近、「人との関係作り」を積極的に行い、ご自身の夢を実現された方の事例を複数知る機会がありました。

 

1人目は、サイバーセキュリティの専門家として活躍されている松原 実穂子さんです。日々「人脈づくり(ネットワーキング力)」を鍛えることを意識している、と週刊誌のインタビュー記事で語られており、次のような行動を実践されているとのことです。

 

・興味がある人の講演情報を見つけたら、できる限り参加する(有料であっても、飛行機を使ってでも参加)。会場では最前列に座り、必ず質問と名刺交換を行い、“その日のうちに”お礼のメールを送る。

・松原さんの専門分野である、サイバーセキュリティに関するニュースをまとめたメルマガを、友人やお知り合いに向けて定期的に発信。

・知人からサイバーセキュリティについて質問を受けると、すぐに調べて迅速に回答を返す。

 

松原さんは、興味がある人に自ら近づく、自分を印象付ける、関係を切らさない、信頼を積み重ねていく、ということを一連の流れとして取組まれています。またその成果として、ご本人が希望していた日本を代表する通信会社の、サイバーセキュリティ責任者のポストに就かれています。「人脈づくり」という言葉をここまで具体的な行動に落とし込まれている姿は、参考になると思います。

 

2人目は、エジプト考古学者として活躍されている河江 肖剰さん。エジプトのカイロ・アメリカン大学で考古学を学んでおられた時に、ピラミッド研究の第一人者であるマーク・レーナー博士がリーダーを務める、米国・古代エジプト調査協会が新たに調査隊を編成することを知ります。

河江さんは、調査隊が外部からのメンバーを募集していないことを知っていましたが、レーナ―博士の論文・著作を全て読破したうえで、「自分がこの調査隊に加わることで、どんなメリットがあるか」を博士に伝え、その熱意を評価してもらい参加できました。

河江さんは、調査隊に参加したい熱意を単にアピールするだけでなく、「自分は貴方のことをこれだけ調べて、理解しようとしています」という、その人のことを知ろうとする努力をされています。またそのような事前準備の大切さを教えてくれます。

ビジネスをされている皆さんにとっては「相手(仕事仲間・お客さん)のことを知ろうとする姿勢」を相手に伝える重要さ、を教えてくれる事例ではないでしょうか。

 

3人目は世界的モデルの冨永 愛さん。今年、史実とは異なる男女が入れ替わった設定で、江戸時代の“大奥”を舞台に繰り広げられるドラマに、徳川八代将軍・吉宗役で出演されました。  

冨永さんは松平 健さん演じる「暴れん坊将軍」の大ファンだったことから、機会がある度に周りの方へ「私、白馬に乗って海岸を走る将軍役、やりたいんです!」というご自身の夢を話されていました。その話が今回のドラマのプロデューサーの耳に入り、「ぜひ、お願いしたい」と吉宗役のオファーに繋がります。

これだけを聞くと、「運が良い話」で終わりますが、冨永さんはいつオファーが来てもいいように、プライベートで本格的に乗馬を習っていたとのことです。

冨永さんが実践された、自分の夢を周りに語る、それだけでなく、いつ話が来ても対応できるように準備しておくという行動は、周りを巻き込んで夢を実現する、そして、すぐに実現しそうになくても準備を怠らない大切さを教えてくれます。

 

最後は、「“仕事ができるやつ”になる最短の道」という、安達 裕哉さんが書かれた書籍です。上記でご紹介した3人のお話に共通する「人とどうやって良い関係を作り、夢を実現するか」という取組み方法が書かれており、8年前に発刊された本ですが全く古びた内容ではありません。

書籍という形のため体系的に整理されていること、そして、

① 今日からできること

② 1週間程度でできること

③ 1か月以上しっかりと取り組むこと

④ 1年程度かけてじっくりと取り組むこと

⑤ 3年は取り組むべき大きなテーマ

⑥ 一生かけてやる価値のあること

と取り組みやすさ別に章立てされており、仕事に就かれたばかりの方だけでなく、すでにベテラン領域の方でも、改めてご自身の仕事の進め方を見直せる内容です。

 

年代や育ってきた環境の違いなどによって、異なる価値観を持った人たちとビジネスを進めていかなければならない場面が増える、という内的環境の変化。

厳しい競争によってさらなる効率化が求められる、これまで通りの仕事のやり方が通用しない、という外的環境の変化。

コロナ禍を大きなきっかけとして、劇的な環境の変化がみなさんの身の回りでも起こっていると思います。「仲間づくり」「協力者を増やす」のような「良い人間関係作り」は、そういった変化への対応方法を見つける糸口のひとつとして、役立つのではないでしょうか。

 

新年度のように新しい環境を向かえたときこそ、新しいことを試すチャンスです。今回ご紹介した「達人」たちの技を試していただき、少しでも皆さんのビジネスに役立ていただければと思います。

 

 

◇松原 実穂子さんインタビュー記事抜粋(朝日新聞社・AERA 2023年4月3日号)

https://dot.asahi.com/aera/2023032800060.html?page=1

◇河江 肖剰さんオンライン番組(NHK・NHKアカデミア)

https://www.nhk.or.jp/learning/academia/

◇“仕事ができるやつ“になる最短の道

https://www.njg.co.jp/book/9784534053008/

 

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