プロジェクトマネージャー 松井 俊輔
あっという間に暦は12月。年末の仕事納めに向け、カレンダーを睨みながら作業に追われている方も多いのではないでしょうか。
2022年の今年は「150周年」という数字を目にする機会が多い1年でした。
鉄道開業150周年は、上越新幹線開業40周年と重なったこともあり、開業当初走っていた200系のカラーリングを施した新幹線車両を走らせたり、大宮-上野間を結ぶ「新幹線リレー号」が復活したりと、新潟ゆかりのイベントも数多く開催されました。
また、新潟市内で最も長い歴史を持つ小学校の1つである新潟小学校は、IPCが入居するNEXT21の1階ロビーで、開校150周年イベントとして開校当時の写真やこれまでの行事の動画を展示していました。
調べてみると150年前の1872年は、裁判所の設置、初の全国戸籍調査の実施、郵便制度の本格的スタート、富岡製糸場の操業開始などの出来事があり、明治時代(新政府)になってから5年目を迎え、明治政府が進めてきた「文明開化」の取組みが形になりつつある時期だったのかもしれません。いろいろな「150周年」があった2022年も終わりを迎えますが、今年、皆さんは新たにどんな興味や関心を持たれたでしょうか?
私は研修等で、「どういう仕掛けづくりをすると、お客さんに自然に商品・サービスに興味を持ってもらえるか」や「どうすれば、お客さんや従業員にストレスなく動いてもらえるか」というお話をさせていただく機会が重なったこともあり、「行動原理」、「行動心理学」といった分野に興味が向いた一年でした。そのため、書籍を読んだり、テレビ番組の特集を見る機会が増えました。その中で一番面白く、興味深い内容だったのが、“自分を変える方法 いやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学”(ケイティ・ミルクマン著)です。
ペンシルベニア大学で教鞭をとる行動科学者の著者が、最新の行動科学の成果を使い、いろいろな場面で利用できる「人の行動を変える方法」を記した内容です。
「いやでも“やる気”が出る」方法
「つい動いてしまう」仕組みづくり
「先延ばし」しない方法
「怠け心」を上手く使う方法
などなど、日頃、「また、できなかった・・・」と反省する行動を改善するヒントが、治験研究の成果と共に紹介されています。各章の見出しを読んだだけでも、興味が沸きませんか?
その中でも、新年を控えたこの時期に特にお勧めしたいのが、
“CHAPTER 01:いやでも「やる気」が出る-「フレッシュスタート」の絶大な力”
です。
毎年、元旦に「今年こそは〇〇をするぞ!」と決意を新たにするも、正月三ヵ日が過ぎるころには、その熱い思いはどこへやら・・・、という方は、私も含めて少なくないと思います。毎年のように「決意 → あきらめ」を繰り返していると、半ば自嘲気味に「新年の決意とはそういうもの」と思いがちですが、この本では“フレッシュスタート”が可能な新年こそ、新しいコトを始めるには最適なタイミングである、と教えてくれます。
2023年こそは、思いを新たに何かを始めてみたいと思われている方は、お正月までまだ2週間近くありますので、ぜひ読まれてはいかがでしょうか?
数ある1872年の出来事の中で、私が一番びっくりしたのは、これまでの太陰暦から太陽暦に変えるという荒業が行われた事です。西暦で書くとピンとこないのですが、和暦で書くと「明治5年は12月2日で終わりとし、明治5年12月3日を明治6年1月1日とする」ということになり、明治5年の12月がたった2日しかなかったことがわかります。
施行された当時は、既に発売されていたカレンダーが使い物にならなくなったり、契約関係で契約日時の齟齬が発生し、日本中のあちこちで大混乱が起こったとのことです。前年の明治4年に、国家公務員の給与支払い方法が年棒制から月払いに変更されたこと、太陰暦のままだと翌年の明治6年が1年を13か月として調整する閏年のため、給与支払いが例年より1回多くなり国庫が苦しくなるのを避けるため、というのが理由とのことです。
そういう心配をせずに新年を迎えられる幸せを感じながら今年最後のコラムを締めたいと思います。みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。また、来年もIPCのご利用を職員一同お待ちしております。