プロジェクトマネージャー 松井 俊輔
県内各地から紅葉、雲海など“目”を楽しませてくれる話題、そして、柿や梨など“舌”を楽しませてくれる話題が毎日のように届けられ、秋の深まりを感じる場面が増えてきました。
スポーツの秋、読書の秋、「〇〇の秋」という表現がよく使われますが、皆さんは今年の秋をどのように過ごされているでしょうか。私は「食欲の秋」を実践する毎日で、なかなか体重が落ちずに困っているところです。
今年10月から、「食欲の秋」がより楽しめそうなオンラインセミナーがスタートしたので、早速、受講してみました。
そのセミナーとは、新潟県と新潟大学そして新潟県酒造組合が連携して始めた「日本酒学セミナー」です。新潟大学が令和2年から全学部横断で研究を行う「日本酒学センター」を立ち上げ、活動を行っていることをご存じの方もおられると思います。このセミナーでは、日本酒学センターに所属されている新潟大学の先生方から、日本酒および日本酒に係る授業が受けられるほか、酒造メーカーの方などからもお話が聞け、日本酒にまつわる知識が総合的に身に着くように構成されています。
さらに、1年・10回の講座が3年間に渡って実施される予定で、1年分受講するごとに受講証明と受講証明シールがいただけるようになっています。今年度分の10回を受講してみての感想ですが、米づくりのお話、なぜ新潟の日本酒が端麗辛口なのか、文学作品での日本酒の扱いなど、幅広い視点で日本酒にまつわる講義内容になっており、受講後は周りの人に学んだ知識を教えたくなる内容です。
バラエティ豊かな講義の中で、私が一番興味を持ったのが、日本人の食生活の変化に伴う新潟・日本酒の味の変化、全国の日本酒製造に関与していた新潟ゆかりの「酒造り」の人・技術の変化です。
日本酒が日本人に一番飲まれているアルコール飲料の時代であった1970年代と比べて、現代の2020年代ではその地位を他のアルコール飲料に譲っています。選ばれなくなった理由は様々ですが、新潟大学で「日本酒学センター」が設立されたこと、そして、今回のオンラインセミナーがスタートした目的は、現状を打破するための一つの広報戦略ではないかと個人的に思うところです。
IPCでご相談者の方からいただく質問で、広報についてのお悩みが多く寄せられます。
どうすれば、より多くのお客様にお店を知ってもらえるか?
SNSを頑張っているが、なかなか手ごたえを感じない・・・
こだわっている部分が、お客様に伝わらない
などが代表的なご質問でしょうか。
今回ご紹介した「日本酒学セミナー」の取り組みは、「まず、日本酒に興味を持ってもらう」という点に軸を置いているのではないかと考察します。最終的には日本酒を好きになってもらい消費を増やしたい、というゴールはあるものの、どういうきっかけで日本酒好きになるかは人によって入り口が違う、だから入り口の種類を増やす、という考え方での講座の組み立てではないかと思います。
この考え方を広報のお悩みに対応させると
・どんな人をお客さんとして捉えていますか? どんな人に来てもらいたいですか?
・その人に興味を持ってもらうためには、どういった情報を、どのように発信しますか?
・興味を持ってもらった人に、正確・確実に満足感を感じてもらうにはどうしたらいいですか?
と、なるのではないでしょうか。また広報に限った悩みではなく、「お客さんに、どんな価値を提供できるか?」という、事業の中心との強い結びつきと連携して考えていく必要もあります。
お一人で悩まれていると、なかなか良いアイディアが出てこない場合もあると思います。壁打ち相手として、ぜひIPCをご利用ください。
また11月16日(水)18:30から、「成果があがるSNS運用のノウハウと成功事例 ~「やっているだけ」から卒業しよう~」と題して、(株)Riparia/(株)DERTAの丸山太一氏を講師としてお迎えするオンラインセミナーも開催しますので、ご利用いただければと思います。
「日本酒学セミナー」の受講シールは、1年目:銅、2年目:銀、3年目:金とオリンピックのメダル授与のようなシステムになっており、受講を継続する気持ちをくすぐる要素も持っています。まだ手許に届いていないので、どんなものなのかわかりませんが、ご相談に来られた方に、ちょっと自慢してしまうかもしれません。その時はお付き合いいただけると幸いです。
◇日本酒学セミナー
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/chiikishinko/nihonshugaku-online.html
◇成果があがるSNS運用のノウハウと成功事例 ~「やっているだけ」から卒業しよう~