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2021.03.15

今すぐできる「再構築補助金」申請の準備

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

 突然ですが、みなさん餃子はお好きですか?

毎年1月ごろに総務省統計局が「家計調査」を発表し、いろいろな「モノ」の消費額がわかる中、特に「餃子」について注目が集まっているように思うのは、私が餃子に目がないからかもしれません。
今年は宇都宮が勝つか、浜松が勝つか、はたまた今まで目立たなかった影の実力派・宮崎が勝つか、ニュースでも餃子ナンバーワンの街について話題になりますね。

新潟は“街中華”の名店や、ラーメン店が多数あり、さらに餃子も名物のラーメン店が多いことから、餃子大好きな私としては餃子食べ歩きも新潟での楽しみの一つです。ちなみに「家計調査」によると、直近5年間の新潟市における平均餃子消費額は全国24位とのことです。新潟の餃子消費額、もっと高順位なのでは?と私は感じましたが、みなさんはどう思われましたか?

昨年末、古町商店街のある店舗が、たった数日の工事で餃子の無人販売店に変わって驚きました。万代のラーメン屋さんの店頭にも餃子無人販売コーナーが出来るなど、対面販売のみだった飲食店が、長引くコロナの影響による売り上げ減を少しでも緩和しようと、非対面販売を始めるといった「業態転換」の事例を見かけることが多くなってきました。

 

「業態転換」と言えば、昨年ニュース報道がされて以来、令和2年度第3次補正予算の「中小企業等再構築促進事業」いわゆる「再構築補助金」に関心が高い方も多いのではないでしょうか? IPCへのお問い合わせも徐々に増えていますが、このコラムを書いている3月15日現在、正式な公募要領が発表されていないため、お答えできる範囲が限られているのが実情です。
では、「公募要領が発表されるまで何もしないでいるのか」というのは時間がもったいないです。公募開始前までにできる情報収集、準備などいろいろあります。

 

何をおいても「国会での予算成立」がされるまでは公募要領の発表はされませんので、ニュースや新聞での「予算情報」へのアンテナ感度を高めておくことが必要です。そんな中でも担当省庁の中小企業庁は公募開始の準備を始めているため、五月雨ですが情報発信をしています。既に発表されている情報の中では下記の情報が参考になります。

 

・令和2年度3次補正予算案・令和3年度税制改正要望についてのリーフレット(令和3年2月1日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/210201yosan.pdf

⇒ 「再構築補助金」以外にも今回の予算で執行される各種制度について、ご自身の事業が対象になるのか、補助額・補助割合はいくらか、どんな取組みに利用できるか、概要がわかります。また、下記のリーフレットでは、「再構築補助金」の利用が想定される事例も記されていますのでご確認されると、具体的なイメージが沸きやすいと思います。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/jigyo_saikoutiku.pdf?0215

 

これら2つのリーフレットに記載されている内容で重要なポイントは2つです。

 

1つ目は制度利用を行う場合、「電子申請システム・jGrants」での申請受付になることです。リーフレットにも記載されているように、利用IDの発行までに2~3週間かかり、印鑑証明書なども必要ですので、補助金申請を検討されているのであれば、今すぐにでもID発行手続きはやっておくべき、ということになります。

◇jGrants申請の流れ:https://jgrants.go.jp/flow

 

2つ目は「認定支援機関」や「金融機関」と協力して事業計画(申請書)を作成する必要があるということです。「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」などの申請時に、商工会・商工会議所等「認定支援機関」の支援を受けられたことがある方もいらっしゃると思いが、これまで利用したことが無い方は、ご自身が利用しやすい機関を事前に調べておくことをお勧めします。

◇認定支援機関:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kikan.htm

・令和2年度3次補正予算「中小企業等事業再構築促進事業」に係る基金設置法人の公募について(令和3年2月5日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/corona/2021/download/20210205_01.pdf

⇒ この資料内に赤字で
「本公募は、令和2年度第3次補正予算「中小企業等事業再構築促進事業」に応募申請を希望する中小企業等を対象とした公募開始のお知らせではありません。中小企業等を対象とした公募については、基金設置法人及び事務局の決定後に別途行います。」

と書かれているため、申請を検討している事業者には関係ない、と思いがちですが、意外にもこの資料からも事前準備のヒントが隠れています。

この資料で見るべきポイントは、「基金設置法人募集要領」の28ページ「補助の対象及び対象経費の区分等」です。正式な公募要領では変更される可能性はありますが、この補助金で利用できる項目を、ある程度読み取ることができます。

 

利用可能:建物撤去費、設備等撤去費、建物改修・リフォーム費、建物費、機器・設備費、
システム購入費、リース費、外注費、原材料費、研修費、専門家経費、技術導入費、知的財産権等関連経費、運搬費、クラウドサービス利用費、広告宣伝費・販売促進費

「車両購入、家賃、人件費」については補助される可能性がほぼ無い、ということがわかります。

 

今回ご紹介した資料のうち、リーフレットは3月末の公募スタートまで、何度も更新される可能性が高いため、注意しておくと情報に乗り遅れる心配を最小限にすることが可能です。

感染対策や売上の維持など、日々奮闘されている事業者の皆様にとって、新たなことを考えるなんて難しい、と思われる方もいらっしゃると思いますが、この機会を好機と捉えチャンスを掴んでいただけるよう、IPCは強力に皆様をバックアップできればと思います。

 

冒頭ご紹介した非対面販売の冷凍餃子のように、コロナ禍の売り上げ減少対策として通販に力を入れる有名餃子店も全国で続々と増えてきています。また、ふるさと納税でクラフトビールを返礼品として選べる市町村も増えてきました。旅行もなかなかできませんので、ご当地餃子とご当地ビールを取り寄せ、旅行に行った気分でその地域に想いを馳せることもできるのでは?と、個人的には次の餃子計画を検討しています。
思い切った事業再構築を!とご紹介した今回のコラムであるに関わらず、餃子にはビールと、自分には変化がないのがお恥ずかしいので、餃子に合う新しい組み合わせを模索してみようと思います。

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