インドの男前

2019年06月14日| Keyword Square 松井 俊輔

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

 昨年封切られ、評判の良かった「パッドマン」というインド映画が、6月初旬に開催された「にいがた国際映画祭」で上映されるとのことで鑑賞してきました。

 

簡単にストーリーについてご紹介しますと(ネタバレにならないように気を付けます…)、

インドでは2001年という時代でも、古い習慣や価格の問題で生理用ナプキンの使用率が低く、不衛生が原因で病気になる女性が少なくなかった。そのような状況の中で、主人公である夫が奥さんのために、価格を抑えて気兼ねなく使用できる生理用ナプキンを開発、販売する。周りからの誹謗中傷や逆境に負けず、愛する人のために困難に立ち向かっていく、という実話に基づいたストーリー。

 

夫婦愛が随所に感じられる感動的な内容ですが、ビジネスに活かせるヒントや気づきのきっかけがたくさん詰まっていると感じられ、考えさせられる点も多くあったので、いくつかご紹介したいと思います。

 

―― いくら良い商品でも、売ることは難しい ――

主人公である夫は、不穏に思われながらも、奥さんや医学的知識のある女性医学生に自分が作った試作品の使い心地を聞かせてもらうなど、よりよい商品作りを必死におこない、やっとのことで高額な市販品と同品質の商品を完成、いよいよ販売を始めますが、ほとんどの女性には見向きさえしてもらえません。

「これは良い商品ですよ」と売り手側が一方的に伝えるだけでは買う側(消費者)の財布は開かない、という現実を突きつけられます。主人公自身も見落としていた「こんな基本的なことを見落としていたのか!!」というきっかけで状況は変わるのですが、事業の成功までにはいろいろな方法を試す必要があることに気づかされます。

映画の終盤で主人公は、「大企業はR&D(科学研究や研究開発)で、自分はT&F、Try and Fall(挑戦しては失敗)の繰り返しだ」とも述べています。

 

―― 買う人(消費者)の価値観をシフトさせることは難しい ――

健康に良いことは理解していても、「こんな高価なものは使えない」と、55ルピーの市販品ナプキンを断る主人公の奥さんが、縁日で怪しい興行師が呼び込みをしていた「ご利益が不明の神様へのお供え」には躊躇なく51ルピーを支払います。

「モノの値段」ではなく、個人が何に対して価値を見出すか、という「買う人の価値観」を転換する取組みも、購入してもらう仕掛けづくりとして必要だということです。

 

―― これまで当たり前と思っていたことでも、見直すことで新しいアイディアが! ――

主人公は、結婚前には、母と3人の姉妹という、女性に囲まれた環境で暮らしていたにも関わらず、奥さんと結婚するまで、生理の間女性は5日間、家の中で生活させてもらえないというインドの風習を当たり前のこととして受け入れていました。

5日間、愛する奥さんと離れて過ごさなければならない、という状況になって初めてその不条理さに気づきます。そこから、愛する妻を始めとする女性が、衛生的で日々健やかに過ごすためにと、商品開発に取り組むことになるのですが、「当たり前」「常識」を見直すことで、新しいアイディアへとつながる可能性がある、ということです。

 

その他にも、仕事や人生に通じる印象深いシーンや、魅力的な登場人物による心に残る言葉がたくさんあり、映し出される映像も美しく、男女を問わずお勧めしたい映画ですので、機会があればぜひご覧ください。

 

日頃何気なく見ているテレビや映画からも、「ビジネスの種」が見つかる、ということに気づく良い例だと思いました。

 

感動的なストーリー、考えさせられる言葉、美しい映像…。映画館を後にし、頭の中にはお伝えしたいことがたくさんあり、少しでも早く書き留めたかったのですが、自然と足はカレー屋さんへ…。さすがインド映画。カレーを美味しそうに食べているシーンが多くあったのです。映画の後にカレーを食べることのできた達成感も含め、大満足の映画でした。

 

これからも、様々なコンテンツから皆様のお役に立ち、興味を持っていただけそうな話題を提供していければと思います。

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