年号と共に変わる新潟県山間部

2018年12月27日|ビジネスよもやまばなし

ものづくり技術コーディネーター 原 利昭

 

先日、新潟日報に人口減少に直面する県内集落の今後に関する明治大学農学部の小田切徳美教授による貴重な御考えが掲載されていました。先生の御指摘によると県内の集落規模は全国でも大きいため、『限界』集落に該当せず、『地方消滅』の議論がある一方で、生き残るための強さがある事が指摘されていました。そのため、山間部の集落では、都市部と違って高齢者が農産物の育成・販売を行って、集落の住民に生き甲斐と集落全体の活性化を生み出す可能性があるか否かを知りたいとの強い思いがありました。幸いなことに多少の産学連携経験者である小生の院生1名の実家が該当する地域に在ったことから、関連する資料や先行事例の概要を調べた後、集落住民の実情や考えを伺いました。山間部の集落が長い間直面してきた野生動物による農産物の被害を経験し、その実態を目の当たりにしてきたこともあり、変わることが出来ればその切っ掛けを先ず伺いたいとの考えが少なくありませんでした。また、住民の高齢化もあって中心的人材の発見も容易でない状況にありました。

一方、畑作物を根こそぎ食べる猪等は人間にとって手強く、鹿等と同様に厄介な加害動物でもありますが、これら野生動物の獣肉は”ジビエ”として知られており、森でしか得られない貴重な食資源でもあります。事業化を望みたいところですが、その一方でカモやキジ、ヤマドリ等他の野生動物と同様の対応、即ち、寄生虫や細菌対策が厳しく求められています。調理方法は特に従来の生肉とは基本的に大きく違うところは殆ど無く、まな板や包丁、食器、箸等の調理器具および手等を十分に洗う事も必要となります。

害獣駆除に伴う現象と有害生物への正しい対応について記載し、終わりと致します。

【害獣駆除に伴う現象例】

・意図的か非意図的かに関わらず、人の行為が過剰捕食を生み、有害生物の被害を後押しする例は少なくない。 特定の生物を駆除すると、別の生物による被害が目立つ現象も見られる。

・ため池の水抜により外来魚等を捕獲する際に、ブラックバス(オオクチバス)を取り除くと、ブラックバスの食材であるアメリカザリガニが爆発的に増える。増えたザリガニが水草を刈り取り、水草を隠れ家や産卵場所、エサである昆虫が激減する。

・「駆除とアメリカザリガニ対策を同時に考え、継続的に取り組むことが最も重要」

【有害生物に正しい対応】

・有害生物を捕獲すること自体が目的ではなく、あくまで農業被害を軽減し、生態系や希少生物の保全、管理のための手段であることを認識すべし。

・モニタリング(効果の監視)をしながら進めることも重要

・捕獲開始後、想定外の事態を生じ易く、素早い対応を可能にする。

 

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