さり気なくロボットにしか出来ないサービスを

2018年10月30日|ビジネスよもやまばなし

ものづくり技術コーディネーター 原 利昭

 「ロボティクス」が今、世界で注目を集めています。労働力不足への対応だけでなく、AIの進化でロボット自身が自ら学んで様々な問題を解決できるようになり、その活躍の場も工場だけでなく、小売りや金融など、多岐に亘っています。更には、働き方改革にも影響を与えるロボティクスヘの理解は企業の戦略を考える上で不可欠になっています。一方、ホテルやカフェ等では、極めて堅実で効率良く働く”賢い従業員さん”であり、黙々と働くと共に、人間よりも多くの料理を運ぶロボットに注目が集まっています。テーブルに料理を並べるのみならず、客の様子や状況を察してお膳を下げる事、更には、客との音声会話により、人にしか出来なかった行き届いたサービスもほぼ可能になっているようです。また、労働集約型の外食産業のみならず、人手不足や熟練技術者の後継不足に悩む工場や現場でも働くロボットヘの依存度と期待は極めて大きいと言えます。そして他の業種業態にも変化をもたらすのは時間の問題であり、ロボティクスを活用した業務プロセスの自動化が実現しつつあります。例えば、古い製品の修理の場合、紙で保管されていた設計図面をデジタルデータ化し、従来、ベテラン社員が精通していたノウハウを読み込ませて現場の営業要員が顧客の要望に応じた図面を即座に提案出来る様になっています。更には、自動車や電子部品の生産現場では、重量物の運搬や、噴霧・霧散している塗料の吸引など、身体的負担が大きい労働環境下では、労働者にとって大きな負荷による作業ミスを誘発する恐れもあり、生産性の向上や品質の安定の面からもロボットの活躍が期待されています。

今後の世界のロボット市場規模は、米調査会社のIDCによると、急拡大し、全世界のロボティクス向け支出額は2021年に2184億ドル(約24兆4500億円)と18年に比べて倍以上に膨らむとの見通しであります。この様に日本は世界でも有数の産業用ロボット大国として発展してきましたが、AIやIoT等の進化によりロボットが更に高度な知能を持つと共に応用の範囲も広がりつつあります。加えて、2045年に人間の知能を超えると言われるシンギュラリティの到来にどう対処するのか、大きな変化に如何なる対応が可能なのか世界的課題となっています。更に、課題先進国である日本にとって国際的に先例の無い、多くの課題を抱え、それを如何に解決し、乗り越えていくのかを示す必要があります。日本が諸外国にモデルとして参照されるのかどうかが極めて重要である事を忘れてはなりません。

 

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