「人口減少を見据えた日本の取り組みと技術的工夫」

2018年08月29日|ビジネスよもやまばなし

ものづくり技術コーディネーター 原 利昭

 

人口減少による社会のシステムや考え方が変わりつつある。先の話しですが、2050年になると、人口減少で日本の国土の約6割が無人になるという試算結果が示されている。同時に国立社会保障・人口問題研究所は50年に日本の人口が9708万人になるとの推計結果を出している。他方、国も早くから検討しており、国交省が5年前に”国土のグランドデザイン”で即効性が期待出来る案として「人口が少ない地域では、生活に必要な施設や機能と住民を役場周辺などコンパクトな範囲に集中させる」を提示している。

勿論、この通りになるか定かでないが、社会の至る所で人口減少が影響を及ぼし始めており、それに伴う対応策が必要となっている。特に窮状が伝えられている離島等を想定した場合、具体的な対応策が見えつつある様にも思われる。即ち、人口の減少と共に過疎化が進む地域では従来の生活様式を維持する事が困難になりつつある。例えば、”暮らしに欠かせない”車の使用を維持するにはガソリンスタンドの存続が必要である。過疎化が次第に顕著となりつつある地域では、公共交通網も極めて脆弱化或いは無いに等しい状況に陥り、同時にガソリンスタンド(給油所)の経営もおぼつかなくなる事から、ガソリンスタンドの廃業か或いは給油手段を確保し難くなる状況に到る。この様な状況を把握していた経済産業省は某人気TV漫画を想い出す「どこでもスタンド」と呼ばれる給油のためのシステム、即ち、タンクローリー直結型の簡易給油所を考慮する取り組みを検討していることが新聞に掲載された。

また、一般の給油所に比べて少ない経費で維持できる特徴を備えた給油システムであるが、更に、経産省は「給油所過疎地」と呼ぶ給油所が3カ所以下の自治体で広く活用を検討する段階にも至っている様である。特に、給油システムの稼働準備時間を30分程度とし、複数の地域を巡回することも可能な機動性を備えている。また、一般の給油所と異なり、地下タンクや建屋などを省くことも可能で建設費は数千万円以下、整備費は2、3割で済む事が予想される。人口減少を見据えた挑戦は今後も続くものと思われる。

 

 

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