乗り越えるということ

2020年03月16日| Keyword Square 松井 俊輔

プロジェクトマネージャー 松井 俊輔

先月のコラムで新型コロナウイルスの話題に触れましたが、連日報道されているように新潟でも感染が広がり、事態の収束が見通すことができずにいます。政府の突然の休校要請により、皆様のご家族や従業員の方々も影響が多くあったのではないでしょうか。

 

テレビ・新聞報道で、新型コロナウイルスのマイナスの影響について連日大きく報道されているため、今後について不安な思いを持たれている方も多いのではないかと思います。感染を広げないために私たち個人ができることは、手洗い・うがいという基本の感染予防を最大限努め、少しでも感染が広がらないようにするしか今はないと感じます。

しかしながら、経営者の方は自分のことばかりではなく、企業全体、そして従業員の方々の生活も考えなければなりません。

 

国としても中小企業者の方に対し、「セーフティネットの発動」、「雇用調整助成金の規制緩和」、「休校等に伴う有給取得への賃金補助」等の「経営を守る」施策とともに、「ものづくり補助金」、「持続化補助金」、「IT補助金」等の「前向きな経営への支援」も開始しています。IPCとしても、国・県・市が実施する支援策の最新情報を取得し、ご相談者に合った情報提供を行っていきますので、お気軽にお問合せいただければと思います。

 

◎経済産業省、厚生労働省の新型コロナウイルス関係HP

経済産業省:https://www.meti.go.jp/covid-19/

厚生労働省:

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

 

このウイルスは国内のみならず、全世界に脅威をもたらしています。先行き不透明な中で明るい話題を見つけることは難しいですが、私たちはこれまで地震や水害等の苦難や逆境を乗り越えてきました。今回のこの難局に対しても、私たち一人一人がそれぞれできることを行うことで、必ず乗り越えることができるのではないでしょうか。

今回は、「困難の乗り越え方」について少しでもヒントになればと思い、ある心理学者の著書をご紹介します。

 

アル・シーバート著『逆境に負けない人の条件 いい加減さが道を開く』(フォレスト出版)

 

アル・シーバート博士は元・落下傘部隊隊員というユニークな経歴を持つ心理学者で、逆境を克服するたびに、精神的に強靭になっていく「サバイバー」と呼ばれる人たちに共通な資質を40年近く研究してきました。迫害や虐殺から生還した医師、突然のリストラで退職を余儀なくされた会社員、無人島で4年間生き抜いた船乗りなど、私が万が一でもそのような立場におかれたら「なぜ自分ばかりが…」と思ってしまうような壮絶な経験の中で、それらを乗り越えた人たちに共通の資質がまとめられています。中でも私が重要だと思った点は次の2つです。

 

ベトナム戦争で捕虜となったある軍人が、6年間もの間狭苦しい独房に拘置され、日常的に拷問を受けながらも生還したエピソードでは、自身が経験する辛いことを「この体験には何か意味がある」と、良い思考に置き換えて考えることで、苦境を乗り越えています。

苦境に立たされた時、「今、この経験に価値がある」と思えることができるのか…と自分に問うと、難しいと感じますが、何事も前向きにとらえる考え方は参考になると思います。

 

「あなたは、ユーモアがあるタイプですか?真面目なタイプですか?」と聞かれた時、みなさんはどう答えるでしょうか。シーバート博士は、逆境を乗り越えるためには相対する二つの資質を持つべきだと述べています。逆境を乗り越えてきた人は真面目ながらもふざけていて、勤勉でありがながらも怠け者であり、自信過剰な面を持ちつつも自分を批判的にも見ている、としています。

こうした相反する2つの考え方を持ち合わせることで、困難な状況になったとき、その時々の局面に合った柔軟な対応をとることが可能となるのです。物事を一つの固定的な視点でとらえるのではなく、様々な視点で見ること、そしてそれに適応していくことが重要だということです。

 

あるアクシデントがあった時に、それを学びの機会として柔軟に対応し乗り越える人と、なぜ自分だけがと落ち込んで乗り越えられない人がいます。

博士は前者になるためには

 

・感情をうまくコントロールして平常心を保つ(つらいことはメモして見える化する)

・変化をしっかりと受け止める(現状を認識する)

・その変化にうまく適用する(現時点の状況で最適な行動を検討する)

・その状況で取れる、自分の安定した足場を固める(最低限のことは押さえておく)

・経験から学ぶことで、より強く、より良くなっていると考える(失敗してもまた一からやり直せると考える)

・「必ず成功する」という強い思いを持つ

 

という、行動パターンを推奨しています。

 

今回取り上げたエピソード以外にも、逆境を乗り越える様々な事例が紹介されていますので、ご興味のある方は読まれてはどうでしょうか。

 

今、日本だけでなく世界が直面している状況は、まさに逆境です。

しかしながら、この状況の中で私たちそれぞれが冷静な判断をし、学びの機会と捉え柔軟に対応していくことができれば、必ず乗り越えることができると思います。

 

・既存商品で新しいサービスを提供できないか考える

(持ち帰り用メニュー、宅配サービス等を検討してみる)

・地域内で経済が回るよう、ネットや大型ショッピングセンターでの買い物頻度を下げて、近くの商店で買い物する頻度を上げる

(地域住民同士で地域内内需を喚起する)

など、その取り組みは小さくても一人一人が行えることはあるはずです。

 

先人達が歴史の中で様々な逆境を乗り越え今を作ってきたように、今回のこのウイルスに関しても、乗り越えた時に新たな未来が築かれると思います。

「不安に関しては人に話すということも大事だ」とシーバート博士は述べています。人に話すことで、不安材料が整理されてくるということも少なくありません。

IPCでは新型コロナウイルス感染予防対策を行いつつ、通常通り経営に関するご相談に対応しております。ウイルスによる影響が経営にまだ出ていなくても、事業運営で不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

 

地域の人同士で手を取り合って、是非この難局を乗り越えましょう!

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