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2017.05.31

IoTとAIを活用した”近未来の骨折治療”

2017.5.31

今回から担当メンバーに加わりました原と申します。宜しくお願いします。

機械工学を基盤として30年近く整形外科バイオメカニクス(生体力学)の研究や医療機器等の開発にも関わって参りました。医療機器製造企業の数は決して多いとは言えませんが、近年、興味を持っている、或いは、”状況が知りたい”と思われる企業様が増加傾向にあることから、少しばかり概要をお示し致します。

臨床医療では、測定装置の高機能化や解析方法の高精度化等が急速に進み、関連する研究や治療法の開発を大きく前進させるエネルギ―源になっています。ここでは小生が関わってきた骨折治療に関する現状やビジネス化に関わる部分を簡単に御紹介致します。

ここ数年、四肢の骨折事例は年間35万件を超える状況にあり、骨が脆くなった高齢者が多くを占めています。医師との連携の下、特に力を入れてきたのは、多発性骨折、即ち、複雑骨折での確実な骨癒合を獲得する上で有効な固定法についてです。詳細は省きますが、骨折部を如何にして安定な固定状態のまま維持し、骨癒合の促進を図るかを重視します。

力が作用しないと骨は痩せ、骨折部の修復が進みません。従って、場合によっては固定板等の部分的な低弾性化や形状最適化を考慮する考えが必要となることから、確実に治癒し得る前提の下でパーソナライズドメディスン(Personalized Medicine)が実現することになります。

図骨折固定具

患者個々での、最適な骨折固定方法が明らかになるとともにデジタル技術によるデータ解析で患者一人一人に適した固定具や治療方法の詳細が蓄積され、既存企業も含めて地域の企業がIoTの考え方に基づいて必要な固定具や医療機器等の加工生産に対応し得る状況が生まれる事は自然です。例えば、入院歴のある患者が転倒等により再度入院治療を受ける場合を含めて、過去の骨折が完治するまでのサポートデータを基に最適な治療とケアを提案したり、治療プログラムのビッグデータ化を図って最適治療プランの提案による地域でのビジネス化も十分に考えられます。

IPCでは、医療機器、医療機器分野進出等に関わるご質問やご相談がありましたら何時でもお受け致します。

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